喘息の本態は、気道(気管支)の粘膜に起こる慢性的な炎症です。炎症が強くなることで、気管支の内径がが収縮して細くなったり、粘膜がむくんだり、また分泌物(ぶんぴつぶつ)が多くなってしまった結果、空気の通り道が狭くなって呼吸が苦しくなる状態が喘息発作です。
喘息を持つ人は、何らかの「きっかけ」から、喘息発作を繰り返し起こします。
乳児期の喘息では、風邪をひくことが「きっかけ」となり喘息発作がよく起こります。
年齢が進むと、アレルギーが「きっかけ」になることが多いです。特にダニ、ハウスダスト、カビ、ペットなどに対するアレルギーです。また、季節(特に秋が多い)によっては、喘息を引き起こしやすい風邪ウイルスの流行があり、その時期には喘息発作を起こす子が増えます。
喘息発作の症状は、息を吐くときに、ヒューヒュー、ゼーゼーということが特徴です。これは空気の通り道の気管支内腔が狭くなっていて、息が出にくいことで出る音です。
発作は夜起こることが多く、軽い発作では息苦しくもなく話も普通にできます。症状が強くなると、話もできなくなり、横になってもいられず、ひどい場合は顔や唇が真っ青(チアノーゼ)になってしまうこともあります。
<喘息大発作=急を要する症状>
以下の症状が一つでもある場合は、すぐに受診が必要です。重い喘息発作=大発作のサインです。
・くちびるや爪の色が白っぽくなっている、青や紫色をしている
・息を吸うと小鼻が開く、胸がペコペコ(べコベコ)凹む
・脈がとても速い
・話すのが苦しい
・歩けない
・横になれない、眠れない
・ボーっとしている、興奮している、暴れる
治療は、
①普段から発作をできるだけ起こさないようにする治療
②発作が起きているときに発作を落ち着かせる治療
の二本立てです。
まずは原因となるもの(アレルゲン)を取り除くことです。そして、薬によって発作の起こりにくい体作りを目指します。決められたお薬はきちんと続けることが大事です。
<原因を取り除く>
ダニ、ハウスダスト、ペットの毛が原因なら、部屋の掃除が重要です。じゅうたんやぬいぐるみはダニがつきやすいものです。
寝具のケアも十分にしましょう。
カビを防ぐため、室内の換気にも気をつけます。
たばこの煙は喘息発作を引き起こす大きな要因ですので、室内での喫煙は厳禁です。
<普段の生活での健康づくり>
日常生活は規則正しい生活を送ります。
早寝早起き、バランスのとれた食事(食物アレルギーがない場合)を心がけます。
遊んだり、運動をします。
手洗い、うがい、お風呂に入るなど清潔に心がけます。
発作が起きたときには・・・
安静にすること、換気を良くすること、
水分をとって痰(たん)を切りやすくしておきます。
呼吸はゆっくり腹式呼吸(ふくしきこきゅう)をさせます。
それでも発作が続く時は、処方されている薬があれば使用します。
薬を使ってもまた起こるときや、症状が重いときは受診してください。診療時間外の時は救急外来を受診してください。