乳児血管腫は、皮膚の表面や内部にできる「赤あざ」の一種で、未熟な毛細血管が増殖してできる良性腫瘍の一種です。見た目が赤く、いちごのような外観から、「いちご状血管腫」とも呼ばれます。できた部分が深いと、青味がかって見えることもあります。生後1年までの乳児の10~12%にみられます。頭部、顔面など、首から上に多くみられますが、血管があるところならどこにでもできる可能性があり、皮膚表面だけでなく内臓にできることもあります。円形・楕円形のような角のない丸みのある形で、1cm以下の小さなものから、10cm以上の大きなものや広範囲に及ぶものもあります。1ヵ所だけのことが多いですが、2ヵ所以上みられることもあります。
生まれた時はほとんど目立ちませんが、数週間程で皮膚が盛り上がり赤あざになります。自然経過では、1歳以降には小さくなりはじめ、5歳くらいまでに50%、7歳くらいまでに90%以上が赤みは消えていきます。赤みが消えても、たるみなどが残る場合があります。
積極的に治療が行われるのは、身体の機能や発達に悪い影響を及ぼす場合(耳、鼻、口、首などに出来る場合)、出血しやすい、ただれやすい、たるみなどの痕が残りやすくなる場合、急激に大きくなってきている場合です。経過観察しながら自然に消えるのを待つか、あるいは治療を始めるのかについては、医師に相談して決めましょう。病変部にただれや出血が起こることがあるので、引っ掻いたり傷つけたりしないようにしましょう。
治療は、薬物療法やレーザー照射が行われています。