「じべるばらいろひこうしん」とよみます。聞き慣れない難しい名前ですが、比較的よくある皮膚の病気です。胸、おなか、背中を中心に紅斑(赤い斑点)がたくさんでき、名前だけでなく見た目も派手です。手足の先の部分や顔には症状はみられません。
一番初めには、親指くらいの大きさで赤みがあり表面にはがれた角質が付着したヘラルドパッチとよばれる皮疹(図1)が数個みられます。
その1~2週間後に紅斑がたくさんできてきます。紅斑にもはがれかけの角質が付着しており、一つ一つは横に広がった卵円形をしているのが特徴です(図2)。
たくさんの紅斑は、背中ではクリスマスツリーのように配列して見えるのもこの疾患の特徴です(図3)。
図1
図2
図3
湿疹などの多くの皮膚疾患でみられるかゆみはほとんどみられません。皮膚以外の症状はなく、発熱や倦怠感もみられません。
この病気は乳幼児期にはあまりなく、10~30代によくみられます。季節的には冬場に多くみられます。発疹ができ始める1~2週間前に、軽い風邪症状がみられる場合が多いようです。
この疾患の原因は何らかのウイルス感染(ヘルペス6型、7型というウイルスが疑われている)による二次的な反応と考えられていますが、詳しいことはわかっていません。この病気自体が他の人に感染することはありません。
ほとんどの場合1~2ヵ月で自然にきれいに治るため、特別な治療は必要ありません。まれに痒みが強いことがあり、その場合には外用薬や内服薬が処方されることがあります。再発はほとんどありません。
この疾患にはたくさんの特徴があり、疑うことができれば比較的簡単に診断に至りますが、知らなければ診断はつきません。患者さんからすれば不安から病院を転々とする結果につながりやすい疾患です。