一般に感染性胃腸炎というと、ウイルス性胃腸炎をさす場合が多いのですが、中には細菌性の腸炎を含む場合もあります。ここでは、ウイルス性胃腸炎について話します。これは、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが口から入り、感染しておこります。潜伏期(感染してから発病するまで)は1~3日です。突然吐き始め、嘔吐は半日から1日でおさまり、続いて水のような下痢(レモン色~白色ですっぱいにおい)になるのが典型的です。熱は出ることも出ないこともあります。通常は、1週間くらいでよくなります。
ウイルスに対する特効薬はありません。吐き気止めの薬や整腸剤などを処方しますが、最も大切なのは家庭での水分摂取です。吐き続けるときや脱水を起こしてグッタリしているときには、点滴や入院が必要になる場合もあります。
① 吐いたら飲まない:脱水を気にして、吐いているのに水分を与えるのは逆効果の場合があります。吐き気が強い間は何も与えずおなかを休めることも大切です。
② 吐き気が落ちついたら:水分を少しずつ与えて下さい。飲めるようなら薬局で売っているOS-1やアクアライトが適してます。飲んでもすぐに吐くようなら、また1~2時間何も与えないでおなかを休ませましょう。少量の水分(キャップ1杯程度)で吐かなければ少しずつ量を増やしていきましょう。
③ 下痢だけになったら:うどん、おかゆ、野菜スープ、味噌汁、とうふ、バナナの裏ごし、ウエハースなど消化のよい食べ物を少しずつ与えて下さい。
ポテトチップスや唐揚げなどの油っぽい食べ物、糖分が多い炭酸飲料やジュースなどはひかえましょう。
④ 入 浴:嘔吐下痢がひどいときはひかえましょう。下痢でおしりのかぶれがひどくなるので、便をするたびにお尻をぬるま湯で洗ってあげましょう。
⑤ 便や吐物の処理:便や吐物にはウイルスが多く存在して強い感染減になるので、きちんと消毒して処分することが大切です。
ウイルスは便の中にいますので、保育園は下痢が治るまでやめましょう。学童は症状が軽くなれば登校してもかまいませんが、体力が回復してからにしましょう。
① 1日たっても吐き続けるとき
② 元気がなく、顔色が悪いとき
③ 唇が乾いて、おしっこが少ないとき